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結城あすかの毎日電波思考 (あすか日記)
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日記というか、雑文の吐き溜め場所かにょ。電波の度合いは0から∞まで様々にょ。意味不明とか気にしたら負けにょ。
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『東アジア「反日」トライアングル』を読んだにょ

2012/04/26 00:58
 『東アジア「反日」トライアングル』(古田博司著、文春新書)とかいう本を読んだにょ。
 ま、よくある中朝韓の反日の原因について書いてる本だにょ。この手の本は黄文雄がたくさん書いてるけど、ああいう煽ってるような本ではなく、実際に韓国社会での経験とかを踏まえた学者としての視点からの指摘だにょ。

 例によって6年ぐらい前の本なので、北朝鮮が金正日時代なのはいうまでもなく、韓国もまだ左翼の盧武鉉政権の時代なので、多少は古さが否めないけど、そんなに変わってないことも確かかにょ。
 しかし、この本、韓国や朝鮮人の名前に日本語読みでルビを振ってるので、盧武鉉を「ろぶげん」とか書いてあるから、ちょっと違和感を感じたりするにょ。ま、わざわざ韓国語の読みに合わせる必要が無いというポリシーなんだろうけどにょ。

 ま、とりあえず北朝鮮はおいとくとして、中韓が何かと反日を繰り返すのは、それが無いと社会がまとまらないという点が大きいだろうにょ。中国のような巨大国家で党派党閥が争うのは当然として、韓国なんかでも李朝の時代から両班は党争に明け暮れていたから、近代国家としての国民のまとまりが不完全なままだにょ。そこで、何かにつけ分裂の危機を感じると反日を用いて団結しようとするにょ。

 もちろん、反日を是とするのは正当な理由付けがあってのことだにょ。それは中華思想における「礼」の問題だにょ。この「礼」というのは日本でいう「礼儀」のようなものではなく、儒教(というか中国風文化)でのしきたりのことだにょ。これは例えば同姓で結婚しないとか、火葬はダメだとか、混浴するなとか、そういうところだにょ。
 自分たちの文化を基準にして優劣を判断してるのだから、日本はいつまでたっても野蛮しかなく、そういう野蛮な日本が自分たちより文明国だとは認められないということにょ。そこで、何かと「日本の野蛮性を示す材料」を見付けて非難を繰り返すことで鬱憤を晴らしているのだにょ。

 韓国はこれまで何度も、これが最後だと言って日本に謝罪させているのだけど、これも「礼」を弁えない日本の謝罪は何度やっても本当の謝罪ではないから、何度それを繰り返し求めても自分たちの非にはならないということにょ。
 そして、南京大虐殺や従軍慰安婦は、それが事実としてどうであろうと、繰り返し繰り返し日本を非難する格好の材料として重宝されるにょ。
 こうしたことが戦後60年以上たってもエスカレートし続ける原因は、日本と中朝韓との文明の異時代性、個人社会と宗族社会の違い、そして近代的自立を自分の手で勝ち取れなかったというルサンチマンにあるにょ。

 文明の異時代性というのは、日本はすでに近代資本主義を経験した上でポスト近代の時代に入ってるのに、韓国は近代化をようやく達成しようというところで、中国はやっと近代化を始めようかというところ、北朝鮮に至ってはまだ中世のままという話にょ。
 日本だって戦前は攻撃的なナショナリズムが社会を支配していたけど、中国や韓国はそういう時代の真っただ中だから、ナショナリズムの捌け口としての反日は容易に手放せないにょ。

 また、日本は昔から個人単位の契約や人間関係によって社会が営まれて来ているけど、中国や韓国では宗族という祖先を同じくする大きな血族集団を基本に社会が成り立っているにょ。これは、実のところ古代から戦乱が続いて政治があてにならないから、宗族同士で助け合って生き残ろうとしてるものだけど、これによって個人が無責任になってしまってるにょ。自分が何か失敗しても宗族がそれを補ってくれるというのが基本だから、何か不都合があっても、その原因を他者に押しつけることに躊躇が無いにょ。
 極端な話、宗族の先祖の墓は大事に祀らなければならないものだけど、それ以外の墓にあるのは単なる亡霊に過ぎないから、他人の墓を暴くことなんか平気で出来るにょ。
 そんなのだから、日本人的な博愛精神で安易に相手と理解しあえると思ってはいけないにょ。

 そして、いつまでもこと戦争や植民地時代のことにこだわり続ける最大の理由は、中国も韓国もけっして自分たちの力で日本に打ち勝って今の社会を手に入れたわけではないということにょ。
 中国戦線で日本軍と戦っていたのは主に国民党の軍隊で、共産党ではないし、しかも日本がアメリカに負けたから勝ちを拾っただけにょ。韓国に至っては李承晩政権のメンバーは独立を戦うどころか、亡命政権を名乗って海外を転々としてただけにょ。かろうじて北朝鮮の金日成はゲリラ活動をしてたけど、これもほとんど実績のないままソ連に逃げ込んで、戦後傀儡に担ぎ出されたというのが実態にょ。
 盧武鉉政権の時代の韓国には、「日本と戦った正統性がある」北朝鮮に憧憬を抱く左翼の若者が増えたというにょ。そんなファンタジーに縋ってまで反日を全うしたいという中朝韓は日本人には理解できないのだけど、だからといってそれに目をつぶって手放しで友好を叫んでもどうにもならないのは、肝に銘じておかないいと行けないかにょ。

東アジア「反日」トライアングル (文春新書)
東アジア「反日」トライアングル (文春新書)古田 博司

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『家畜人ヤプー 第3巻』を読んだにょ

2012/04/12 23:50
 『家畜人ヤプー 第3巻』(沼正三著、幻冬舎アウトロー文庫)とかいう本を読んだにょ。相変わらずエグイ物語だにょ。

 この第3巻のメインは、タカラマハン(高天原)へやってきた本来の目的、妊娠したポーリーンのための子宮畜を選ぶ話かにょ。それと前後して黒人を使ったハンティングとか、アンナテラスが天照だけではなく西王母とか、他の神話の神々でもあったとかいう話が出てくるけど、蘊蓄を語ってるだけの気がするにょ。

 子宮畜選びに先立って、かかりつけの医師がポーリーンの受胎告知用の矮人に誤った濃度の検査液を与えて死に至らしめたとかいう話が出て来たのだけど、これがこの先何かに繋がっていくのかはよくわからないにょ。

 さて、子宮畜というのはいわば代理出産専用のヤプーのことだにょ。
 同じ未来人と言っても、『星界の紋章』のアーヴとかなら完全に遺伝子操作がデフォルトの種族なので、出産といっても、最初から体外受精して遺伝子操作された受精卵が人工子宮で培養されて産み出されるわけなのだけど、古代ギリシア人並みに肉体の完璧性を求めるイースの白人貴族はそうはいかないにょ。
 女性優位の社会というのは別にして、普通にエッチして妊娠した子供を、遺伝子操作などいっさいない自然のままで産むのが基本になるにょ。とはいえ、妊娠や出産は負担であるし、社会の中枢を担う女性の活動を制限してしまうにょ。そこで、妊娠した後の胎児は子宮畜というヤプーに代理出産させるようになってるにょ。

 ま、子宮畜も同じ白人でも平民は他のヤプーと同じように最初から子宮畜用に飼育されたヤプーを使うのだろうけど、そこは大貴族ジャンセン家の令嬢、地球の日本列島にある邪蛮国に住んでるヤプーの原種から選ぼうという話にょ。
 この邪蛮国というのは、第3次世界大戦後の文明崩壊で壊滅した日本の国土に、南米で黒人に奴隷化されていたおかげで生き残った日本人が、白人のお情けで独立させてもらった国だにょ。ここの連中は(国外……というか地球外では)日本人がヤプーという家畜にされていることを知らずに、自分たちは立派な文明人だと思って暮らしてるにょ。
 ただし、アンナテラスによる天照信仰による白人崇拝はそれなりに信仰していて、白神に仕える巫女になるために富士山にある修道院にやってくる娘が数多くいて、白人貴族はその中から子宮畜を選ぶにょ。

 下界ではヤプーの実態を知らない邪蛮国の娘も、この修道院にやってくると嫌でも真実を思い知らされることになるにょ。最初に行われるのは裸体化のための皮膚強化処理にょ。これをされると、もう二度と衣服が着れないというのは麟一郎の時に触れたれた通りだけど、それはもう下界の邪蛮国には二度と戻れないということにょ。
 ただし、子宮畜が他のヤプーと大きく違うところがあるにょ。それは自然な肉体を尊ぶ白人の子を代理出産するからには、子宮畜自身も出来るだけ健全な肉体でなければならないということにょ。だから他のヤプーみたいに栄養補給はもっぱら腸の寄生虫に対して肛門から液餌を与えるなんてことはなく、白人と同様の食事がとれるということだにょ。ま、それでも家畜は家畜に過ぎないんだけどにょ。
 しかし、壮絶なのは品評会風の子宮畜の検査方法にょ。(全裸である)娘たちに逆立ち状態で開脚して一斉に放尿させ、尿の飛び具合で身体つきを判断するとか……

 この子宮畜の選別と前後して、この施設の所長のサルド・ヒック(猿田彦)とか、サロメ(猿女)やコノハナ・サックリー(木花咲耶)というヤプーも語られてるんだけど、これも例によってオゾマシイ改造されてるにょ。あんまりオゾマシイから具体的なことは置いとくけど、顔面同士でエッチというのはもう人間のやってることじゃないにょ。

 後は巻末の方で黒人奴隷の生活について触れてるけど、ヤプーと違って改造なんかはされてないけど、こいつらも相当に悲惨な境遇だにょ。白人の尿を美酒だと思い、反吐の中の食材や、白人の着古した衣服や下着の切れ端を御馳走だと思って食ってるにょ。それでいて家畜であるヤプーより(能力的に劣っていても)優越感を抱いているというところが哀れだにょ。

 しかし、読むの苦しいにょ。相変わらずオゾマシイ内容というのはあるけど、1巻2巻は辞書の抜き書きみたいな、無機質な内容を並べただけの箇所がかなりあって、適当に読み飛ばせてたのだけど、3巻はそういうのが無くなって、相変わらず説明文が多いには違いないのだけど普通の文章ばかりになって、読み場所が増えてるにょ。
 もう読むのやめだくなったけど、残り2冊だから……どうしようかにょ。

 あと、イースの科学力はとても凄いのかもしれないけど、東京上空に静止衛星を置くのはやめてほしいにょ。

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『ゴーストハント』全巻購入特典が来たにょ

2012/04/01 01:24
 昔、講談社X文庫で出ていた小野不由美の初期作品『悪霊シリーズ』のリライト復刻版である『ゴーストハント』の全巻購入特典が届いたにょ。

 以前に『ゴーストハント』がアニメ化された時に小説の原作(アニメの直接の原作はコミック版)を読みたいと思ったのだけど、当時はすでに入手困難になって久しい状態だったので残念に思ってたにょ。
 それが復刻されたので、とりあえず全巻買ってみたら、全巻購入特典とかいうのがあったので応募してみたにょ。全巻収納用の特製BOXというのは特製冊子というのが気になったところにょ。

 特製BOXはダンボールか何かかと思ってたら、PET素材の組み立て式にょ。DVDとかの全巻収納用なら良いんだろうけど、本のケースとしてはちょっと心許ない気がしないでもないかにょ。ま、実際の話として、これだけを使って飾っておくような人はいないんだろうとは思うけどにょ。

 特製冊子は『SPR通信 特別版』というのが付いてきたにょ。『SPR通信』というのは各巻に挟んであった作品案内用のペラ紙で、それの特別版ということにょ。
 各巻のペラ紙にはその巻の内容宣伝とシリーズの刊行予定の他に毎回ちょっとした記事が載っていたわけだけど、この『特別版』には簡単な登場人物事典、各巻発売時の書店用POP素材の紹介、イラストの人のラフデザイン、それから『SPR通信』に載っていたインタビュー記事の保存用再録というところにょ。
 あくまで今回のシリーズ刊行に際しての冊子という感じで、それ以上の特別なものではない感じにょ。特製BOXに全巻入れた隙間にでもおまけに挟んでおくぐらいのものかにょ。

 アニメを見たときは「サイレント・クリスマス」の話が印象的だったんだけど、これはコミック版のオリジナルエピソードだったから、今回のシリーズの中には入ってないのだけど、エピソードの原作自体は小野不由美によるものらしいから、その原作みたいなものを再現してくれないかと期待してたんだけどにょ。

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『柚木春臣の推理 瞑る花嫁』を読んだにょ

2012/03/19 01:16
 『柚木春臣の推理 瞑る花嫁』(五代ゆう著、双葉社)を読んだにょ。
 これは以前、双葉社の「カラフル」とかいうサイトで連載されていた『Aの旋律』の続編というかシリーズものみたいなものかにょ。『Aの旋律』と同じように僕(立科徹)の視点で、ある地方の旧家で起こった事件が語られていくわけだけどにょ……

 『Aの旋律』で描かれたライブハウスでの殺人事件からしばらく後の話らしいけど、事件そのものは繋がってはいない別個の物語にょ。ただし、徹の面倒な事情を理解するには先の事件を知っていないとわからないから、『Aの旋律』は読んでた方が良いと思うけど、連載はずいぶん前に終わって、最後の数回がバックナンバーで読めるだけで、後は連載1回分毎に53円の電子書籍として販売されてるだけにょ。ちゃんと書籍化されれば読みやすいんだけどにょ。

 一応はミステリーって括りなんだけど、『Aの旋律』の時は「青春群像小説」とかいう謳い文句だったぐらいだから、本格ミステリーみたいなものを期待してはダメだにょ。まだ『Aの旋律』の方が謎解きを楽しめたぐらいだにょ。
 舞台となった地方の旧家だけど、亡くなった前当主のコレクション部屋とか、別棟の音楽室とか、それこそミステリー小説にしか登場しないようなアイテムがある時点で、胡散臭いというかリアルじゃないというか、一歩下がって読んでしまうにょ。ま、江戸川乱歩とか横溝正史とか、昭和の推理作家を真似たお約束みたいなものなのかもしれないけどにょ。

 その旧家・河原崎家に楽器の買い取りの見積もりのアルバイトでやってきた徹、ユキ(柚木春臣)、タカシの3人が、亡くなった前当主の長男の殺人事件に遭遇し、その謎に挑むというのが物語の内容だにょ。
 もっとも、徹はただの(不十分な)語り部だし、タカシはユキのストッパー役でしかないので、推理の主役はユキ(柚木春臣)だにょ。そして、どちらかというと、物語は事件そのものではなく、この柚木春臣という人物を描くことに主点を置いているような感じで、途中、春臣が過去に関わった二つの事件が挿まれているにょ。しかし、そのどちらにも河原崎家が何らかの形で関わっていた(そして、それが事件の推理の伏線になってる)というのが、また因果な話だにょ(というか、都合良過ぎな気がするにょ)。

 相変わらず、所々でニヤリとするネタを挟んであって、高校時代に春臣が読んでいた本が澁澤龍彦だったり、少年時代に結婚式で弾かされた曲が「ゴルトベルク変奏曲」だったりするのは五代ゆうの読者にはお馴染みなところかにょ。

 ちょっと難点を言えば、『Aの旋律』もそうだったけど、語り部たる徹が途中退場してしまい、推理のクライマックスはその不在の中で行われているということで、(過去編の二つの章を除けば)徹の一人称視点で描かれていたはずの文章が、そこだけ第三者的な客体文で描かれているということだにょ。これだといったい何のための語り部なのかわからないにょ。
 ま、シャーロック・ホームズとかでもワトソン不在の事件を後から聞き書きしてる作品はいくつかあるけど、それらはワトソンが聞き取った伝聞体として記されているから、読者は語り部たるワトソンの視点からぶれることなく物語を受け入れられるにょ。
 そういった視点の一貫性が保てないなら、安易に一人称視点の物語を描かれても、その視点が失われた時点で読者は違和感を抱き、その客体文さながらに物語に冷めてしまうだろうにょ。

 とはいえ、SFでもファンタジーでもホラーでもない五代ゆうというのは珍しいというか、新しい挑戦だろうけど、興味があれば一種の怖いもの見たさみたいなもので読んでみても損はないかと思うにょ。

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『国語教科書の思想』を読んだにょ

2012/03/07 23:08
 『国語教科書の思想』(石原千秋著、ちくま新書)とかいう本を読んだにょ。小学校や中学校で使われている国語教科書に書かれている見えない意図を、批評によって明らかにしようという本だにょ。
 著者自身が国語教科書の作成に関わって来たという経歴の持ち主でありながら、あえて批評をしてみようという態度には大きく共感を覚えるところにょ。

 で、この本で書かれている内容はというと、「国語は道徳を教えている」ということと「(生徒にとって)教科書の内容に批評は許されない」ということだにょ。そして、国際学力テストで指摘された読解力不足はゆとり教育なんかではなく、そういう思想の教育によるものだということにょ。

 まず「国語は道徳を教えている」というのは、教科書に採用されている文章の多くが徳目や社会規範を扱っていて、それらは「正解」が一意で用意されていて、それを読み取ることが国語の目的だとされていることだにょ。
 戦後の教育では徳育を行うという意味での道徳の授業が無くなったので、国語の授業がその代わりになってるという話なのだけど、道徳の授業が無いというのにどうも実感がわかないにょ。総合学習とかの時間が増えた上に土曜休校になった今は知らないけど、あすかの学校時代にはちゃんと道徳の授業時間はあったのだから、その役目を国語に肩代わりさせる意味がわからないにょ。
 確かに国語の授業は道徳的だし、道徳の時間も年がら年中同和教育ばかり飽きもせずやってたような記憶はあるけど、それってそういう道徳の時間の使われ方が間違ってるだけなのだから、国語授業を犠牲にするべきではないだろうにょ。

 次に「教科書の内容に批評は許されない」というのは、教科書の内容は絶対なのだから、それと違う意見を持ってはいけないということだにょ。
 これは先の「国語は道徳」というのと強く結び付いていて、教科書の文章に書かれている道徳内容は絶対だから異論を持ってはいけないということになるにょ。よって生徒は批評無しに教科書の道徳を受け入れなくてはならなくなるにょ。
 ま、これが「弱いものを労わりましょう」というような、誰もが認めるようなモラルならまだ良いけど、「戦争は絶対に悪い」とか「自然に帰ろう」なんて、状況や主義主張によっていくらでも違う選択肢がありうるテーマについて、用意した一意の解答しか正当と認めないというのは思想の強制(洗脳)にしか他ならないにょ。

 こういう国語教科書で育った生徒はどうなるのだろうかにょ?
 いわゆる優等生というのは国語教科書の思想をそのまま受け入れて、それに意義を持たないような生徒だにょ。このタイプの人間は上からの思想はそのまま受け入れるので、社会にとっては利用しやすい奴隷になるにょ。
 逆にどうしても思想の押し付けに馴染めない生徒は国語の授業から落ちこぼれていくにょ。彼らは国語の無能者としてレッテルをはられ、また彼ら自身が国語(あるいは読書そのもの)を嫌いになってしまうにょ。

 でも、多くの頭の良い生徒はそうじゃないにょ。国語の授業はそんなものとして「空気を読んで」正解を選ぶけど、その一方で自分の意見は意見をして別に持つにょ。でも、それは表には表さないにょ。何かと「空気を読め」とかいう日本社会の風潮は、こういう国語教育で培われていってるのじゃないのかにょ。
 ひたすら正解を求めて「空気を読む」代わりに、はっきりと持ってるはずの自分の意見はけっして明らかにせず、それが叶わない社会に失望だけを繰り返していくにょ。その結果、誰もが間違ってると思う社会を誰も改善しようとせず、そのままみんなで衰退の道を歩んて行くだけになってるにょ。

 日本の国語教育で養われる読解力というのは、こういう風に「空気を読んで」テキストに一意に与えられているはずの筆者(というか出題者)の意図を正解として読み解くことだにょ。
 しかしながら、国際水準で求められる国語の読解力というのはけっして「空気を読む」力ではないにょ。テキストによって与えられる情報は何か、登場人物や筆者の主張は何か、それに対して読者自身は何を考えることが出来るのか、そしてはたしてテキストの内容は妥当なのかどうなのか、それらを読み解き自分の意思で表現することができることこそが本当の読解力だにょ。
 時の文科大臣は読解力が足りないならもっと詰め込み教育が必要だとのたまったらしいけど、現状の国語教育でそんなことしても「空気を読む」力だけが養われるだけだにょ。著者に「笑止」と一刀で斬られてるけど、それもむべなるかにょ。

 ところで、読解力もさるものながら、批評を許さない国語教育というのも社会に深い悪影響を及ぼしてるにょ。多くの日本人が教育されてないから(何がしかの対象への)批評が出来ないというのも考えものだけど、もっと深刻なのは、批評されることに慣れていないということだにょ。
 批評慣れしていない多くの日本人は批評を自分やその作品に対して「悪意あるもの」と受け取り、許すことのできないネガティブな行為と受け取ってしまうにょ。そこで、批評という行為そのものをタブー視し、批評者を排除すべき存在と見なす同調圧力が働いてしまうにょ。
 ま、これが「批評も出来ないジャンルの文化なんかに芸術的な進歩は無い」とかいうレベルならまだいいけど、これがしばしば外交交渉とかで出てくるにょ。批評はあくまで批評なんだから人格攻撃などあるはずもないのに、それを人格攻撃と受け取って交渉を悪化させ、たいていの場合、不利を被る結果になるとかいう話は珍しくも無いにょ。

 昨今は国際化の進展でディベートの必要性とかが大きく謳われ、国語教科書でも課題に取り上げるようになってるみたいだけど、批評に慣れるということはもっと必要なことだと思うにょ。

 著者の指摘は極論と言えば極論で、故意に曲解してるようなところもなきにしもあらずだけど、だからこそ批評の方針としては分かりやすいにょ。ま、この本も古いから、もうゆとり教育を捨てた現在の国語教科書はけっこう違ったりしてるかとも思うのだけど、自分の時代と比べても似たようなものだったことを思うと本質的なところはあんまり変わってないのかもしれないにょ。
 こんな国語教科書で学ばされる子供を持つ親には読んで損はしない本だと思うにょ。個人的には国語教科書の洗脳から自由になるには教科書以外の本をどんどん読んで、本当の読解力や批評精神を身に付けることだと考えるにょ。

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『世界史は日本史をどう記してきたか』を読んだにょ

2012/02/27 23:02
 『世界史は日本史をどう記してきたか』(河合敦著、青春新書インテリジェンス)とかいう本を読んだにょ。
 タイトルを見たら「世界史の視点では日本の歴史はこういう風に書かれている」というような内容を期待するのだけど、それはまったくの間違いにょ。この本に書かれているのは、「日本史のこの事件は世界史のこの事件の影響を受けている」という内容ばかりで、まったくの期待外れだにょ。

 それでもそこに書かれてる内容が他では見られないような画期的なものなら少しは興味がわくのだけど、この本の内容レベルは、昨今では普通に語られてる範囲に留まってるにょ。そりゃ、昔のガチガチの縦割りの歴史を学んだだけの人とか、現在でも教科書レベルの歴史だとそんなところにはまったく触れてないのかもしれないから、そういう人には斬新に思えるのかもしれないけどにょ。

 青春新書だからターゲットは高校生ぐらいに書いてるのだろうかにょ。そういう意味では、教科書の副読本的には妥当なレベルなのかもしれないにょ。でも、高校生でも自分で歴史を学んでいくレベルの生徒には内容はチャチだと思うにょ。
 歴史好きのための一般的な読み物なら、せめて『地球日本史』(西尾幹二編)ぐらいの内容と視点は欲しいところだにょ。

 ところでいつものことだけど、人文社会系の本って、どうしてこういう嘘のタイトル付けたがるのかにょ? ま、たいていの(学術書じゃない)一般向けの出版物ではタイトルは著者じゃなく出版社の担当者が付けるらしいから、著者に文句を言っても仕方ないのだろうけどにょ……
 売りたいがためにあえて興味を引かせるような虚偽のタイトルを付けてるのか、それとも担当者に国語能力が欠如してるだけなのか、どうなんだろうかにょ。

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『星界マスターガイドブック』を読んだにょ

2012/02/23 23:57
 『星界マスターガイドブック』(早川書房編集部編、ハヤカワ文庫JA)とかいう本を読んだにょ。いうまでもなく、森岡浩之の『星界の紋章』『星界の戦旗』のシリーズに関するガイドブックだにょ。

 冒頭のカラーページでアニメ『星界の戦旗U』『星界の戦旗V』のストーリー紹介をやってるから、『星界の戦旗V』がOVAで出た頃に出た本だろうかにょ。『U』まではWOWOWでやってたから見たけど、『V』は未見だにょ。
 後は主要キャラの服装設定とか載ってるけど、新規の設定だけ載せてるのか、見慣れた通常の艦内服が無いのが寂しいかにょ。

 巻末にキャラクターや用語辞典や年表が載ってたりするけど、メインはジントやラフィールらのキャラクターによる座談会形式の作品世界の紹介だにょ。ストーリーなんかは完全に放っぽって、アーヴの成り立ちや星界軍の階級とか、帝国内の階層、人々の食事なんかの解説に徹底してるにょ。
 内容的には作品内外で断片的に語られてたこととか裏設定みたいなものをまとめ上げただけなんだろうけど、それらを関連するキャラクター自身の口から紹介されることで、非常に分かりやすくなってるにょ。確かにこれを読んでから作品本編に触れると非常に分かりやすいだろうから、ガイドブックという名に嘘偽りは無いにょ。

 ただし、すべてがキャラクターの会話体で語られているので、読むのがまどろっこしいし、知りたい内容がどこに書かれているかをすぐに探し出したりは出来ないにょ。そういう点ではチャート式にまとめ上げた形態だった方が実用に即してるにょ。
 また、ビジュアル面に関する説明も会話文だけで終わってるので、カラーページに図版がある一部のもの以外は、それだけじゃ分からないというのが実情にょ。新作の『戦記V』はともかく、『戦記U』のストーリー紹介にカラーページを割くぐらいなら、解説用の図版をある程度入れてほしいところだにょ。

 おまけみたいな形でアーヴ語講座というのが付いてるけど、文法も何も無く、挨拶等のパターン文を幾つか紹介してるだけだから、海外旅行のガイドブックに載ってる英会話文ほどの役にも立たないにょ。(ま、アーヴ語を知ったところで実用にはならないとは思うけどにょ)

 気になったのはアーヴの建国前後の話にょ。最初に探査船が母都市を出発した時の話とか、母都市を滅ぼした原罪の話とかは『星界の断章』で語られているのだけど、それ以外のいろいろな経緯は「航海記録の消失」ということでうやむやにしてるのは、非常にずるいと思うにょ。
 あと、アーヴが母都市を滅ぼした時にはまだ太陽は存在していたはずなのに、その数千年後に調査船が太陽系に到達してた時には、すでに星霧と化していたとかいうことなんだけど、(天文学的には)たったそれだけの短い時間に太陽に何があったのかにょ? 別に『星界』の時代だって太陽の寿命なんてまだ何十億年も残ってたはずだろうににょ。まさか、誰かが太陽のど真ん中に(平面宇宙の)門を開いたとかいうわけではないと思うんだけどにょ。

 ま、どうでもいい話だけど、座談会中でサムソンの故郷の「白菜」がネタになってる割には、巻末の用語辞典とかにも全然触れられていないというのは、初心者には甚だ不親切かと思うにょ。知りたければ『断章』を読めって話だろうけど、そういう情報も無いからにょ。

 解説が目的の座談会だけど、キャラや物語を知っていれば読み物としても楽しめる内容にはなってると思うので、『星界』初心者以外の人が読んでも退屈はしないだろうと思うにょ。

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