結城あすかの毎日電波思考 (あすか日記)

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zoom RSS 梅棹忠夫先生が亡くなったにょ

<<   作成日時 : 2010/07/07 23:02   >>

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 あすかの敬愛する梅棹忠夫先生が亡くなったらしいにょ。ま、兄貴分ともいうべき今西錦司が亡くなって久しいから、驚くようなことでもないのだけど、奇しくもどちらも90歳で亡くなったというのは運命の偶然だろうかにょ。

 学生時代に豊田有恒の著書を読みあさっていた時、確か講談社文庫版『モンゴルの残光』の解説だったかに、この作品の(現実の歴史との)東西の反転について『文明の生態史観』に触れていたので興味をもったのが梅棹忠夫の著作との出会いだったにょ。
 それからしばらくして『文明の生態史観』を読んで以来、文庫や新書で触れられる著書の大半は読んで来たけど、やはり『文明の生態史観』が一番興味深かったにょ。

 日本では「みんぞくがく」というと柳田國男の影響からか、日本固有の習俗文化に特化した人べんの「民俗学」の方が人口に膾炙しているのだけど、そうではない幅広い国際的な文化人類学としての「民族学」の拠点として万博跡地に国立民族学博物館を設立した功績は多大なものがあると思うにょ。

 岩波新書の『知的生産の技術』で京大式カードの利用を盛んに説いてるけど、ああいうのは確かにフィールドワークの成果をまとめる上では役に立つのかもしれないけど、実際にはどうなんだろうかにょ。
 ま、参考文献や知識を必要な時に探し出してくるだけでは、必要最低限のものしか出してこれないけど、ふだんから思い付いたことやぴんときたことをメモをストックしておけば、それだけ引き出しが大きくなるのは確かだろうけど、何から何までカードにしてたら部屋があふれてしまうにょ。こういうのはちゃんと研究室とか書斎とか持ってて、興味の対象がある程度限られてる人には向いてるのかも知れないとか思ったにょ。

 この人はカナ表記論者でもあって、古い時代の著書を見たら、欧米のようにタイプライターが使えない日本語の漢字仮名交じり文は非効率だから、カナの分ち書きにして日本語もタイプライターで効率よく文書を打てるようにすべきだって話だったかにょ。
 ま、その後に日本語ワープロが出来て、漢字仮名交じり文も日本語変換機能で簡単に打てるようになってきたらその主張は引っこめたかに思ってたんだけど、晩年になって失明してからはまたカナ書き論者に戻ってたみたいにょ。
 口述筆記とかしてたらカナ文字だけでも文章の分かりやすさは変わらない(というか、わかりやすいように表現を簡単にすることが自然と求められる)と思うのかも知れないけど、そういう口述筆記もそばに聴く人がいて直接ニュアンスを掴んでくれるから出来てる部分が大きいと思うから、そんなにカナ書きは効率的じゃないと思うにょ。

 梅棹先生の生態論的文明史観にしろ、今西錦司の棲み分け進化論や自然学にしろ、2人とも思い付きを簡単な論文で提唱したのは良いけど、その後に詳細に論理を詰めていくということをせずに放置してしまって、それっきりになってしまい、結局、その分野では本流では無いマイナーな立場に留まってしまってるのが、つくづく残念だにょ。
 それでも、生態論的文明史観は今西進化論とは違って現在でも折に触れ名前が出てくる(というより、日本史の世界史的立場を説明する上でこれより社会的に知名度の高いモデル化された歴史観というものがまだ出てきていない)だけ幸福だろうかにょ。

 とりあえず、梅棹先生の冥福を祈るにょ。

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